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赤松の優しさ

赤松の名の由来となった赤みを帯びた樹皮を見せる、模様木仕立ての盆栽

模様木仕立てに整えられた赤松の盆栽。写真:Azukari

黒松と赤松を並べて置くと、目はまず「二本の松」としてよりも、性格の異なる二人の人物であるかのようにこの二本を読み取ってしまいます。一方は肩幅が広く、樹皮は黒々と割れ、葉は硬く濃い緑でまっすぐに張り出しています。もう一方はどこか柔らかく傾き、樹皮には赤みが差し、葉は細くゆったりとしています。日本の庭師たちは、植物学者がこの二種にラテン語の学名をつけるよりずっと前から、この違いに気づき、二本を対にして呼んできました。

赤松は、盆栽を代表するもう一つの松柏です。黒松より葉が柔らかく、樹皮に赤みを帯び、伝統的には黒松の力強さに対する優しい存在として語られてきました。

黒松と赤松、一対の呼び名

赤松(あかまつ、Pinus densiflora)と黒松(くろまつ、Pinus thunbergii)は、日本では長らく一緒に語られ、絵に描かれ、庭に植えられてきたため、片方だけを単独で紹介することはあまりありません。伝統的な庭木の呼び方では、この対にも性差を重ねた呼び名がつけられてきました。黒松は「男松(おとこまつ)」、赤松は「女松(おんなまつ)」です。黒松の葉は太く、佇まいも全体に荒々しく、赤松の葉は細く、輪郭も柔らかい。この呼び名は生物学的な性別を表すものではなく、見た目の対比を表す美的な呼び方であり、その対比があまりにわかりやすいために、今も使われ続けています。

柔らかさの理由

近くで見ると、その違いは葉に表れています。どちらの松も二本一組の針葉を持ちますが、黒松の葉は太く鋭く尖り、うっかり触れば痛いほど硬く外に張り出します。赤松の葉はそれよりも明らかに細く、しなやかで、房のように柔らかくまとまり、遠目から見ても樹冠全体の輪郭を優しく見せます。両種はまた、成長期に二度目の新梢を出す性質を持つ松としても知られており、そのため赤松も黒松も、松の中では珍しく「芽切り」ができます。初夏に伸びた新芽を切り戻すことで、より細かく密な二番芽を促す技術です。手法そのものは両種で変わりません。違うのは、葉が固まったあとに見える柔らかさの度合いだけです。

名前の由来となった樹皮

赤松という名前は、葉ではなく樹皮に由来すると考えられています。若い木の樹皮は赤みがかったオレンジ色を帯び、薄く紙のような鱗片となって剥がれ落ちます。老木になって初めて、幹の根元あたりから、黒松が幹全体にまとうような灰色の厚い樹皮へと変わっていきます。この赤みを帯びた樹皮が、ごく普通の松柏の中でひときわ光を捉えることから、赤松という名がついたとされています。盆栽の世界では、この赤みが鉢の中では出にくいことがよく知られています。鉢という限られた環境で長年育てられた木は、地植えの木に比べて樹皮の色づきが遅れることがあり、そのため強く赤みを帯びた幹は、たいてい相応の樹齢のしるしとして読み取られます。

赤松と対をなす黒松。赤松より太い葉と、根元から幹全体にかけて黒々と割れた樹皮を持つ

黒松。赤松と対をなす存在で、葉は太く、樹皮は根元から幹全体にかけて黒々と深く割れる。写真:Azukari

海の松ではなく、山の松

この二本の松は、床の間の対としてだけでなく、自生地でもはっきりと道を分けています。黒松は潮風によく耐えるため、日本では代表的な海岸の松として、何世紀にもわたって砂丘や海岸線に防風林として植えられてきました。一方の赤松は、内陸側の乾いた土地を好み、他の木があまり育たないような、痩せた土の尾根や低い山腹に多く見られます。この生育環境の違いが生む、ひとつの静かな事実があります。日本や韓国で珍重される松茸(まつたけ)は、主に赤松の根と共生関係を結ぶ菌根菌で、赤松が好んで育つ、まさにその赤松林の中に発生します。黒松の林からは、同じものは得られません。対として語られることの多いこの二本の松が、実は国土のまったく異なる場所に、それぞれ静かに棲み分けてきたことを示す一例です。

対であって、優劣ではない

だからといって、赤松が劣った木というわけではありません。日本の庭園や盆栽の飾りの語彙の中で、「男松」「女松」という呼び名は、どちらかを上に置くための言葉ではなく、二本を並べて読むための言葉でした。神社の門前や庭の入口に対で植えられ、その対比そのものが見どころとされてきたのです。黒松ばかりを集めたコレクションは、一つの調子が続きすぎるように映るかもしれません。そこに赤松が一本加わることで、目はどこか柔らかい場所に落ち着くことができます。二本の松は、芽切りの手法も、水やりや植え替えの季節のリズムも、ほとんど共通しています。違うのは、仕立て上がった木がどのような佇まいを語るかという点だけです。

結び

黒松と赤松を両方持つ盆栽のコレクションは、二つの選択肢の間で迷っているわけではありません。黒松の風雪に耐えた力強さと、赤松の落ち着いた優しさ。日本の庭園が何世紀も両方を並べて育ててきたのと同じように、一つの場所に松の表現の幅そのものを保っているのです。Azukariは、日本でこの両方の樹種を並べて育てる作家たちと共に仕事をしています。それぞれの木がもっとも得意とする佇まいへ向けて仕立てられ、季節ごとの手入れの記録に加わる持ち主は、一本の松だけでなく、その木が最初から担うはずだった「対のもう半分」を受け継ぐことになります。

赤松の対となる黒松や、その周辺の樹種については、「黒松の力強さ」「五葉松という最高格」「盆栽は松だけではない」もあわせてお読みください。黒松を育てた海岸という環境については、「海岸の松に学ぶ」で詳しく紹介しています。

参考リンク

  1. The Gymnosperm Database — Pinus densiflora — 自生地、樹皮の記述(老木では大きな板状、若木では紙のように薄く剥がれる)、葉の寸法についての情報。
  2. Seattle Japanese Garden「Pine Trees, Part Two: Matsu, the Pines of Japan」 — 男松・女松(黒松・赤松)の呼び分けと、葉・樹皮の比較についての記述。
  3. Bonsai Empire「Pines (Pinus)」 — 両種の葉の比較、共通する芽切り(二番芽)の技術、海寄り・山寄りという生育環境の違いについて。
  4. Wikipedia「Matsutake」 — 日本・韓国におけるマツタケとPinus densiflora(赤松)の菌根共生関係について。
  5. 盆栽 / 四国新聞「あかまつ」 — 盆栽としての栽培上の注意点。鉢植えでは樹皮の赤みが出にくいことや、肥料過多への注意など。
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