文化
盆栽士という職業はあるのか

はい。日本には、盆栽を育て、仕立て、売ることを生業とする人が何千人もいます。けれど、それを認可する国の制度は存在しません。実際に意味を持つ資格は、誰かのもとで過ごした修行の年月そのものです。
この事実は、海外の人にとって意外に映ることが多いようです。これほど精緻な技術なら、どこかに規制があるはずだと考えるからでしょう。でも、それはありません。資格の代わりに機能しているのは、もっと古く、ある意味ではもっと厳しい仕組みです。
その仕事は実際に何と呼ばれているか
公式な職業名は一つに定まっていません。日常的には、盆栽を育て仕立てて生計を立てる人を「盆栽職人」、あるいは「盆栽作家」と呼びます。後者は、仕立てた木が園の商品というより一人の作り手の作品として認められている人を指す傾向があります。どちらの肩書きも試験で与えられるものではありません。どちらも、これまで手がけた木、出品してきた展示会、そして仕事を認める同業者の評価によって、少しずつ得ていくものです。
日本園芸協会などが発行する民間の認定資格も存在し、実際に取得している生産者もいます。ただし業界向けの案内でも、その位置づけははっきり書かれています。判断材料を持たない顧客との信頼づくりには役立つが、この仕事に就くための必須条件ではない、というものです。
資格ではなく、徒弟修行の世界
薬剤師や一級建築士のような国家資格は、盆栽には存在しません。その代わりに入り口の資格として機能しているのは、すでに実績のある生産者のもとでの「徒弟(とてい)」修行――多くの場合は住み込みで、五年を下回ることはめったにない年月です。師匠がその人を「一人前」と認めるまでには、それだけの時間がかかります。
大阪の盆栽園・香花園の二代目、藤川桂一氏はその実例の一つです。家業を継ぐ前、氏は大宮の万成園で、名人として知られる加藤三郎氏のもとで五年間の修行を積みました。そして、その修行を終え、日本盆栽協会から正式な認定を受けて初めて、家業を継ぐにふさわしいと見なされたと伝わっています。つまり、資格は徒弟修行の代わりに与えられるのではなく、その終わりに置かれているのです。
その先にある二つの道――園を構えるか、園に勤めるか
修行を終えたあと、盆栽の仕事は大きく二つの道に分かれていきます。自分の園を構える道と、誰かの園で働き続ける道です。年数によっては、後者がそのまま働き続ける一生の形になることもあります。
藤川氏がたどったのは前者でした――よそで修行し、家業の園に戻って継ぐという道です。一方、ビョルン・ビョルホルム氏の歩みは後者を、さらに一歩進めた形で示しています。香花園で藤川氏のもとに六年間の徒弟修行を積んだのち、さらに三年間「アーティスト・イン・レジデンス」として同園に残り、日本国内で働く外国出身者として初めての盆栽プロフェッショナルになったと、氏自身の園は伝えています。日本では、この二人はどちらも同じように「プロ」と呼ばれます。違いは肩書きの重さではなく、看板に自分の名前があるかどうかだけです。
実際には、自分の園を構えるところまで進む人のほうが少数派です。これほどの規模の園を維持するには、看板を背負う作家一人だけでなく、剪定をする人、水をやる人、鉢を動かす人が必要です。誰かの名のもとで熟練した働き手として過ごす一生は、盆栽の世界ではごく普通の、十分に尊敬される生き方であって、「本当のキャリア」に届かなかった人の姿ではありません。
その暮らしの実像
ここまでの話は、この仕事が日々どんな感触を伴うのか、自分より長く生きる木を相手にキャリアを築くとはどういうことなのかまでは語っていません。その部分は別の記事、「盆栽作家の生き方」で詳しく扱っています。また、一つの技を選び、生涯をかけて狭めていくという職人文化のより広い論理については、職人(しょくにん)についての記事もあわせてご覧ください。この記事が答えているのはもっと狭く、実務的な問いです。それは実在する仕事であり、誰が就けるかを決める国の試験はなく、専門家がそこにたどり着く二つの道――徒弟として修行すること、そして外国出身者として日本で修行することも含めて――は、どちらもこの記事で紹介した同じ盆栽園を経由しているということです。
Azukariが仕事を共にしているのは、まさにこうした専門家たちです。藤川氏やビョルホルム氏のような道をたどって修行を積み、いまは日本を離れて暮らす持ち主のために木を育てている職人たち。ここで紹介した仕事こそが、季節ごとの記録の背後で実際に手を動かしている仕事です。
参考リンク
- なるには資格.com「盆栽資格とは?難易度・取得方法・活躍の場紹介」 — 盆栽専門職に国が定める必須資格がないこと、「盆栽職人」「盆栽作家」という呼称、民間資格が任意の位置づけであることについて。
- Fujikawa International School of Bonsai「School」 — 藤川桂一氏が万成園で加藤三郎氏のもとに五年間の徒弟修行を積んだこと、日本盆栽協会の認定を受けたこと、家業の香花園を継ぐに至った経緯について。
- Bjorn Bjorholm — Eisei-en スタッフ紹介 — 香花園で藤川桂一氏のもとに六年間の徒弟修行、さらに三年間のアーティスト・イン・レジデンスを経て、盆栽プロフェッショナルとして認定を受けたことについて。
- WBFF「Japan」 — 1965年の日本盆栽協会設立と、盆栽の職業世界における組織的な役割について。
