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ホームセンターの盆栽は買っていいのか

デパートの棚に並ぶ小さな盆栽の鉢植え

Photo by Edward Cwik, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons — Source

日本の外で大型スーパーやホームセンター、ショッピングモールの季節売り場を歩くと、「bonsai」と札の付いた小さな鉢植えの棚に出会うことが少なくありません。海外の愛好家はこれを mallsai(モールサイ、"mall(モール)"と"bonsai"を掛け合わせた造語)と呼びます。盆栽の伝統とは別の流れで、何千本と量産され、若いうちに鉢へ植えられ、棚が空いている場所へ出荷されていく木のことです。

はい、mallsaiは「入口としての一本」としてなら買う価値があります。ただし完成された盆栽としてではありません。 木そのものは実在する、葉の小さな樹種であることが多く、何年もかけて手を入れれば本物の盆栽に育てていける生きた素材です。そこで買っているのは技巧ではなく、練習台として手に入れやすい安価な一本です。

mallsaiとは何か

この言葉の由来は語る人によって少しずつ違います。アメリカの愛好家の多くは "mall-" を文字通りショッピングモールと受け取りました。安価で品質にばらつきのある商品を売るキオスクが並ぶ場所、という含みです。一方、ヨーロッパの愛好家の中には malsai と綴り、"mal-" をラテン語の「悪い」を意味する語根として読む人もいます。どちらの解釈も、行き着く先は同じです。作家の目で仕立てられたのではなく、量のために育てられた木、ということです。

愛好家たちが挙げる特徴には共通点があります。年老いた木のように徐々に太く先細っていく幹ではなく、強く誇張されたS字カーブに曲げられた幹。木本来のシルエットを意識せず、平らに均等に刈り込まれた「クルーカット」の樹冠。土の表面には輸送中にこぼれ落ちないよう、小さな飾り石が接着されていることも多くあります。多くは中国やイスラエルなど大規模な生産地の農園から出荷され、量産と店頭での環境に耐えやすい樹種が選ばれます。Ficus(フィカス、ガジュマルの仲間)、中国産の楡(にれ)、イボタノキ、翡翠木(ひすいぼく)などです。

状態が悪くなりがちな理由

より大きな問題は地表より下にあります。多くのmallsaiは、盆栽で求められる水はけの良い用土ではなく、目の詰まった畑の粘土質の土で育てられています。その粘土が小さな鉢に押し込まれると、ほとんど空気の通らない塊のようになり、水が根全体へ均等に届きにくくなる一方で、根が水浸しのまま根腐れを起こしやすくなります。見栄えの良い化粧土や接着された飾り石がその上に載せられ、下の粘土を隠していることも珍しくありません。これは店頭の棚を一目見ただけではわかりませんし、運が悪かった一本だけの欠陥でもなく、この種類の木の育てられ方そのものに近い問題です。

それでも買う価値はあるのか

最初の一本としてなら、期待値を調整した上で「はい」です。名の知れた盆栽家の中にも、自分の最初の一本は園で仕立てられた木ではなく、まさにこの手の量産植物だったと公言している人が何人もいます。特に Ficus のmallsaiは、初心者が起こしがちな失敗、水やりのムラや湿度不足、光の乏しい部屋の環境などにも耐えます。葉の見方、剪定の時期、根詰まりの見分け方といった基本を学ぶあいだ、まとまったお金を上質な木に投じる前に生き延びてくれる一本です。室内向きの Ficus が実際に必要とする条件についてはガジュマルから始める記事で、樹種を問わない最初の一本の選び方の全体的なチェックリストは最初の盆栽の選び方でまとめています。

持ち帰る前に見るべきこと

形よりも木そのものを確認してください。幹や枝は爪で軽く引っかいたときに固く、緑や茶色をしているのが健全な状態で、乾いて灰色になっているものは避けるべきサインです。枝先に新芽が出ているのは良い兆候で、樹冠全体が一様に葉のない状態や、枝がもろく折れやすい状態はよくありません。持ち帰ったら、経験豊富な育て手の多くは接着された飾り石をすぐに取り除くことを勧めています。石が水を土全体へ均等に届くのを妨げるためです。そして最初のシーズンのうちに、根を洗って粘土を落とし、きちんとした盆栽用土へ植え替えること。これが、木を生かし続けるうえで最も効果の大きい一手です。

棚の上では買えないもの

スーパーの棚に並ぶmallsaiには 経歴(けいれき、「誰が育て、世話をしてきたかをたどれる記録」)がありません。背後に園主もいなければ、その木と一緒に引き継げる人間関係もありません。それこそが、棚で選ぶことと、日本の盆栽園で木を選ぶことの本当の違いです。日本の園では、木を売る人がしばしば何年もその木を仕立ててきた本人であり、その木の一年一年について語ることができます。mallsaiはその違いを飛び越える近道ではなく、単に別の出発点です。低いリスクで最初の一年を過ごし、小さな木を生かし続けることを学ぶための場所です。そこで足を止める人もいれば、数年後、何本かの枝を枯らした経験を経て、確かな人と、季節ごとの記録が積み重なった木を探しに行く人もいます。それこそが、日本で盆栽が受け継がれてきたやり方に近いものです。

参考リンク

  1. Growing Bonsai — "Mallsai" — 定義・特徴(S字の幹、クルーカットの樹冠、接着された石、粘土質の土)と、用語の由来をめぐる2つの説について。
  2. Bonsai4me — "Improving Mallsai" — 目詰まりした粘土質の土が根本的な問題であること、輸送用の接着石、根洗いと植え替えによる改善方法について。
  3. Bonsai Empire — "From 'Mallsai' to Bonsai" — スーパーや量販店で販売される量産の Ficus mallsaiと、そこから仕立て直された事例について。
  4. Wikimedia Commons — File: Kaufhausbonsai.JPG — デパートの盆栽売り場、イボタノキ(Ligustrum sinensis)、撮影 Edward Cwik、CC BY-SA 3.0。
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